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天には真っ赤な光が満ち

狂おしい程その日光は、地を照らす

生あるものはなく、静寂に包まれた世界

その地の真ん中に女が蹲(うずくま)っている

そして、小枝で地を削る

「またか」

女はそう口にする

同じ生と死を繰り返すのを飽きた様に

やがて、小枝で削った地からジワジワと水が沁み出し

その水は広がり、やがて小さな池となった

女はその池に足をそっと入れ、体を沈めて行く

池の波紋が、空の赤を反射し美しい輝きを放つ

女は池の地を手で削る

すると、そこから紅い炎が生まれ、水泡に包まれて水面に姿を現す

女は岸に上がり、幾度となるその水泡を見詰めている

紅い水泡は水面に浮かぶと弾け、中にあった炎が天へと昇る

その様子を見ていた女の眼には、黒い涙が滲み、やがて頬を伝って地へ還(かえ)る

女はふっと微笑むと、天へ向かって手を掲げる

柔らかな紅い光が女を包み、そのまま天へと姿を消した


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