<7> 全ての闇が、今女の手の内にあった 憎悪、恐怖、心の闇 様々な負のエネルギーで満ちている 女の口元は綻(ほころ)び、狂気とも言える気をまとっていた 「負は美しい、負は優しい」 微かな声で呟く その負の輝きを女は知っていた 負は決して忌み嫌われる存在ではなく、崇拝されるべきだと それを他者に伝える必要はなかった 今が混沌としている世の中だから―― ▲top